「宝塔」第215号
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 五 人 の 天 使

 人間に生まれて父母に孝(こう)ならず、 仏法僧の三宝を敬わず、 真実の道理 (真理) を行ぜず、 良い行いをなさず、 後世の罪を恐れないならば、 この因縁で閻魔(えんま)王の境界に生じ、 閻魔王の使いが来て王様の前へと押し出される。

  「閻魔王、 この者はもと人たりし時、 父母に孝ならず、 三宝を敬わず供養せず真理を行ぜず福業をなさず、 後世の罪を恐れぬ者です。 ただ願わくば大王その罪を処當したまえ」

  と。

第一の天使

 ここにおいて閻魔王彼の人に問う、 「汝もし、かつて第一の天使の来るのを見しや」と 

 彼の人答えて曰く、  「見ざるなり」
 
 「汝がもと住まいし町や村において、 生まれた赤ん坊 (幼い子供) が身弱く柔軟(にゅうなん)にして仰ぎ向き、 自ら大小便の中に臥(ふ)し、 父母につぐることあたわず、 父母抱き移して不浄処を離れしめ、 その身を澡浴(そうよく)すれば、 微笑む天真爛漫(てんしんらんまん)の第一の天使を見ざりしや」
 
 彼の人答えて曰く、 「見しなり」

  閻魔王また問う。

 「汝、その後においてかかることを見て知りながらどうしてこの念をなさざるか。 我自ら生法ありて生法を離れず (生老病死の四苦の生)。 我は、素晴らしい、 妙なる身口意(しんくい)の三業を行じなくてはならぬ、。仏法を聞いて正しい間違いのない人生をおくる、と」

 彼の人答えて、

 「我あきらかにそのことを忘れ、 気がつきませんでした。長い間五欲の為うろつき愚かで衰えていました」 

 「汝あきらかに長く衰え失ひぬ。 今まさに汝を正して、 放逸(ほういつ)行・放逸人 (よい事をすることをなまける) を治(じ)するが如くすべし。 汝、この悪業は父母のなすに非(あら)ず・王に非ず・天に非ず・汝自ら悪不善の業を重ねた。 故に汝今まさにその報いを受くべし」 

 第二の天使

 閻魔王また問う、「汝もしかつて第二の天使の来るのを見しや」と 

 彼の人答えて曰く 、「見ざるなり」 

 「汝もと人たりし時、 あるいは町の中、 あるいは村の中で、 男か女か年きわめて老い、 寿過ぎ苦悩きわまり、 まさに命おわらんと欲するに、 歯落ち頭(こうべ)白く身曲がり、 かがんで歩み杖をささえて行き、 身体が震えているのを見ざりしや」 

 彼の人答えて曰く 、「見しなり」
 
 「汝もとその後において、 そのような老人が沢山あるのを知っていながらどうしてこの念をなさざるか。 我、自ら老法ありて老を離れず (生老病死の老)。 我まさに妙身口意の業を行じなくてはならぬ。 人は誰でもいずれは老いていくのだから、 若い時より善行を重ね父母に孝養をつくさねばならぬ、と」

 彼の人答えて曰く、 

「我はあきらかにそのことを忘れておりました、 気がつきませんでした。 長い間うろうろと暮らしておりました。愚かな人生でした」 

 「汝あきらかに長く衰え失いぬ。 今まさに汝を正して、 放逸行・放逸人を治するが如くすべし。 汝もと自ら悪不善の業をなしぬ。 この故に今必ずまさに報を受くべし」

 第三の天使

 閻魔王また問う、「汝もしかつて第三の天使の来るのを見しや」 と

 彼の人答えて曰く、 「見ざるなり」 

 「汝もと村か町か或いは山か河で、 男か女か疾病困窮にして、 或いは臥床に生し或いは地に生臥し、 身に極苦甚重苦を生じ愛念すべからず促命せしむるを見ざりしや」

 彼の人答えて曰く、 「見しなり」
 
 「汝その後において、 そういう病人を数多く見て知っていながらどうしてこの念をなさざるか。 我自ら病法ありて病を忘れず (生老病死の病) 。自分も病む時があると知って三宝を敬い尊び妙身口意業を行ずべし、と」 

 彼の人答えて曰く、

 「我は愚かでした。 あきらかにそのことを忘れ気がつかずに長い間さまよい衰えて暮らしていました」 

 閻魔王告げて曰く、

 「汝あきらかに長く衰え失ひぬ。 汝この悪業は父母のなすところに非ず・王に非ず・天に非ず。汝もと自ら悪不善の業をなしぬ。 汝まさに報いを受くべし」 

第四の天使

 閻魔王また問う、「汝もしかつて第四の天使の来るのを見しや」と
 
 彼の人答えて曰く、 「見ざるなり」 

 「汝もと人たりし時、 一村邑(ゆう)にあり、 或いは男か女か、死亡の時、 一二日六七日に至り鳥鵄(ちょうし ;とび) についばまれ獣に食われ、 或いは火を以て焼かれ、 或いは地中に埋められ、 或いは爛(ただ)れ腐壞(ふえ)するを見ざりしや」 

 彼の人答えて曰く 、「見しなり」
 
 「汝その後において、 そういう死人を沢山見て知っていながらどうしてこの念をなさざるか。 我自ら死法ありて死を離れず (自分もいつかは間違いなく死んでいく身)。我まさに妙身口意業を行ず、 大いに功徳を積み決して怠けない、と」 

 彼の人答えて曰く、

 「我あきらかにそのことを忘れ気がつきませんでした。 長年にわたって良い事がしてありません愚かでした」 

 閻魔王告げて曰く、

 「汝あきらかに長く衰え失ひぬ。 今まさに汝を正して、 放逸行・放逸人を治するが如くすべし、 汝この悪業は父母のなすに非ず・王に非ず・天に非ず汝もと自ら悪不善の業を重ねなしぬ。 この故に汝今必ずまさに報いを受くべし」 

 閻魔王この第四の天使を以てよく問ひよく檢(けん)し、よく教え、よく訶(か)しおわって次に、

第五の天使

 閻魔王また問う、「汝第五の天使の来るのを見しや」と。
 
 彼の人曰く、 「見ざりしなり」
 
 「汝もと人たりし時、 王の役人が犯罪の人を捉(とら)え種々に考え治(じ)し・手をきり・足をきり・或いは手足をきり・耳もきり・鼻もきり・或いは耳鼻をきり・或いは裂き割り・頭髪を抜き・或いは獄中につなぎ・衣に火をつけて焼き・或いは砂を以て草をふさぎ・火をまといて焼き・或いは鉄驢(てつろ)を腹中にいれ・或いは鉄猪(てつちょ)を口中に著(じゃく)し・或いは鉄虎(てつこ)を口中に置きて焼き・或いは銅釜中に安じ・或いは鉄釜中に著して煮・或いは段々に切り・或いは鋭い串を以て刺し・或いは鉤(かぎ)を以て釣り上げ・或いは鉄床に臥せしめて沸油を以て注ぎ・或いは鉄臼(てつきう)に生せしめ鉄杵(てつじょ)を以て打ち・或いは鞭を以て鞭打ち・或いは杖を以て打ち・或いは棒を以て打ち・或いは生きながら高標上に貫き・或いはその首を梟(さら)せるを見ざりしや」 

 彼の人答えて曰く 、「見しなり」
 
 「汝その後において、 そういう罪人を見て知っていながらどうしてこの念をなさざる。 我今現に悪不善の法を見る、 悪い事をしてはいけない、と」
 
 彼の人答えて曰く、

 「我あきらかにそのことを忘れ気がつきませんでした。 恥ずかしいことですが長年の間うろつき欲にぼけておりました」

 閻魔王告げて曰く、

 「汝あきらかに敗壞し長く衰え長く失ひぬ。 今まさに汝を正して放逸行・放逸人を治するが如くすべし、 汝この悪業は父母のなすに非ず・王に非ず・天に非ず・汝もと自ら悪不善の業をなしぬ。 この故に汝今必ずまさに報いを受くべし」 

 閻魔王この第五の天使を以てよく問いよく檢しよく教えよく訶しおわりて獄辛に付す。 獄辛すなわち捉え持ちて四門大地獄中に著す。 次に峰巌地獄。 次に糞尿大地獄。彼の衆生もと人たりし時、 父母に孝順して、 仏法僧を敬い真理を行じ福業をなし後世の罪を畏(おそ)るれば、彼の如き愛すべく念ずべく喜ぶべき楽報を受く。 なほ虚空の神宮殿の中のごとし。 我命終わりて人中に生じ、 族姓ありて極大富楽にして資財無量、 畜牧産業稱計すべからず封戸食邑種々具足す。 大長者となり極大富楽、 如来所説の正法の律に浄信を得ん。 学道すれば唯無上の梵行おわり現法中において自ら知り自ら覚り自ら作證し成就しぬ。 

 身の毛もよだつ恐ろしき地獄の話はさておき、 五人の天使、 すなわち沢山の天使が、 皆様良い事をしなくてはなりませんよ、 一生は過ぎやすしですよ、 仏の教えを聴いて下さいと叫んで、 色々な姿をして教えて下さってます。 気がつくと自分のまわりは天使でいっぱいです。

                       合 掌

宝塔第215号(平成9年12月1日発行)