令和7年 新年のご挨拶


  新年を迎え一言ご挨拶申し上げます。

 過ぎし年の1月、名誉管長杉崎法瑞先生が遷化(せんげ)されました。長年にわたって教団を導いて下さった先生に謹んで哀悼の意を表し、無上道よりご守護あらんことを伏してお願いする次第でございます。

 国の内外の情勢を見渡してみると、昨年も多事多難な一年となりました。国内では、能登半島を襲った大地震や水害、記録的猛暑、そして巨大台風など相次いで発生した自然災害が甚大な被害をもたらしました。また「トクリュウ」と呼ばれる押入り強盗が多発し、社会不安を引き起こしています。海外では、ウクライナや中東の戦争による悲劇が続き、大国における自国第一主義が再び台頭してきました。「三界は唯心の所現」と説かれますが、世界規模の人心の乱れが災禍の根本原因であることは誰の目にも明らかであります。

 昨年6月より令和未来プロジェクトが本格的にスタートしました。既にかつての本堂新館は解体撤去され、本年より旧本堂の復元・耐震工事が始まろうとしています。皆様から絶大なる御支援・御協力を賜り計画は順調に進んでいますが、難工事はさらに2年続きます。今こそ皆が大事業完遂への覚悟を固める時が来たのであります。

 昨秋、私は印度アンドラ・プラデシュ州にある古(いにしえ)のバッティプロール大塔を訪れ、固くお誓いしたことがあります。それは、大乗教の祀る聖仏舎利をより一層篤く敬い、その尊さを一人でも多くの方々にお伝えし、教主釈尊に直に御縁を結んで頂くということです。御信徒におかれては、釈尊の御真骨を正法の旗印として掲げる教団に自信と誇りをもって頂きたい。

 教団が心を一つにして令和未来プロジェクトを速やかに成し遂げ、霊鷲山釈迦堂(=本佛殿)を復活させる。その教えの根本道場を起点にして妙法広宣流布に全力を尽くす。これは聖仏舎利を預かる私どもに課せられた義務であります。時代は末法悪世の様相を益々深めている。この様な時代こそ、大乗の教えとの御縁を待ちわびる無数の衆生がいるのです。安立行大菩薩の眷属たる私たちは、志を高くもって妙法を行じて参りましょう。さすれば御本佛や教祖様は私たちを必ず守護して下さいます。

 御信徒の皆様方におかれましては益々ご精進をお願いすると共に、本年も何卒ご健勝であられますよう心より祈念致しております。       

合掌

大乗教管長 杉崎法教